成績のホメオスタシス①
「やる気だけはあるけど、勉強もしないから成績も上がらないし・・・」
家庭教師をしていてよくあるお母さんのボヤキ。
しかし、子供は本当に成績が上がるのを望んでいるのでしょうか?
生物学の用語で
ホメオスタシスというものがあります。
ホメオスタシスとは「恒常性維持機能」のこと。
暑いときには体温を維持するために汗をかく、汗をかいたら体内の水分を維持するために尿量を減らすなど。
生物が生きていく上で不可欠の機能です。
心理的にも、人間は常に精神的な安定を求めます。
「心理的ホメオスタシス」というもので、たとえ満足しない現状にも何らかの理由を見つけ、変化の際に生じるストレスを回避しようとする心の機能です。
先のお母さんのボヤいた子供の状態。
まさに、その子は成績が悪いという現状を認識しながらも、「現状を変えること=成績を上げること」そのものを回避している場合があるのです。
つまり、
子供にとって今の成績が「安定状態」なのであり、本心は成績が上がって現状(自分や周り)が変わることを拒否しているのです。
私は、この状態を
「成績のホメオスタシス」と呼んでいます。
こういう場合、怒っても、ご褒美で釣っても、逆にほっといても、効果はありません。
今の成績で安定しようとするのは本能的なものですからね。
この状態を打破するヒントは
ゲシュタルト心理学にあります。
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